本日の狙い目情報は、環境省の「令和8年度予算案」です。
この中から面白い事業を抜き出してみました。
今回の予算案は、単なる「環境保護」を超え、「経済安全保障」「サプライチェーン全体の脱炭素化」「次世代技術(ペロブスカイト等)の市場創出」が色濃く出た内容となっています。
1.資源循環と経済安全保障(約400億円超の大規模投資)
廃棄物を「ゴミ」ではなく「戦略物資」と捉える動きが加速しています。
①再資源化・リサイクル投資(379億円)
ポイント: 金属資源の回収施設や、回収効率を上げるための物流施設への投資が対象。経産省との連携により、製造業とリサイクル業の橋渡しを強化します。
②太陽光パネルの再資源化(21億円)
ポイント: 廃棄急増が予測される太陽光パネルのリサイクル義務化を見据えた環境整備です。
狙い目: 金属回収技術を持つ企業や、産業廃棄物運搬のDXを担う物流・ITベンダーに大きな商機があります。
2.住宅・建築物の「脱炭素」市場(約900億円規模)
建設・建築業界にとっては、もはやZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)が「標準」となる予算配分です。
①脱炭素志向型住宅・断熱リフォーム(計 830億円)
ポイント: 新築への手厚い支援に加え、既存住宅の断熱リフォームにも注力。ZEH基準を大幅に上回る住宅には特に手厚い支援があります。
②業務用建築物・公共施設のZEB化(107億円)
ポイント: 事務所や倉庫だけでなく、水インフラや避難所となる公共施設も対象。
狙い目: 高断熱材、高効率空調、LED照明に加え、災害時に自立できる蓄電池や発電設備(レジリエンス強化)の提案が必須となります。
3.次世代技術とサプライチェーンの変革
従来の「自社だけ」の対策から、取引先や地域を巻き込んだモデルが評価されるようになっています。
①ペロブスカイト太陽電池(70億円)
ポイント: 日本発の次世代技術の「社会実装」を支援。軽量で曲がる特性を活かし、ビルの壁面や耐荷重の低い屋根への設置モデルを公募します。
②Scope3削減・バリューチェーン連携(約32億円)
ポイント: 親企業と下請け企業が連携して設備投資する際の補助(15億円)や、中小企業の脱炭素経営支援が盛り込まれています。
③SHIFT事業(約58億円)
ポイント: 工場や事業場の省エネ設備導入。CO2削減効果が明確な案件に対し、確実な支援が行われます。
4.地域とインフラの脱炭素化
①地域脱炭素推進交付金(270億円)
ポイント: 自治体が主導する脱炭素プロジェクトへの交付金。
狙い目: 自治体と連携できるエネルギー事業者や、地域創生コンサルにとっての大型案件となります。
参考にしてください。
【HP】
https://www.env.go.jp/guide/budget/r06/page_00011.html(重点施策集)
https://www.env.go.jp/earth/42024_00005.html(エネルギー対策特別会計)
◆経済安全保障の確保に貢献する金属資源等の再資源化に対する投資促進支援 37,900百万円
・お勧め度:⑥環境・エネ・設備系△
・再資源化に係る関連施設や循環資源の回収量拡大に向けた物流関連施設への投資促進や実証事業を行います。
① 先進的な資源循環投資促進事業(経済産業省連携事業)
② プラスチック資源・金属資源等のバリューチェーン脱炭素化のための高度化設備導入等促進事業
③ 脱炭素型循環経済システム構築促進事業
④ 製造業・資源循環産業の連携及び高度リサイクルを通じた高品質再生材供給実証事業
⑤ 再生材供給サプライチェーン構築支援事業
https://www.env.go.jp/content/000366694.pdf
◆太陽光パネルの再資源化促進のための環境整備 2,132百万円の内数
・お勧め度:⑥環境・エネ・設備系△
・太陽光パネルのリサイクルを促進するための環境整備を進めます。
① 脱炭素型循環経済システム構築促進事業
② 資源循環ネットワーク形成及び拠点の戦略的構築に関する調査・実証事業
③ リサイクルシステム統合強化による循環資源利用高度化促進事業
https://www.env.go.jp/content/000366695.pdf
◆住宅の脱炭素化促進事業 8,000百万円
・お勧め度:③建設・建築系〇
・戸建住宅のZEH化、集合住宅のZEH-M化、既存住宅の断熱リフォームによる脱炭素化を支援します。
(1)戸建住宅・集合住宅のZEH化・省CO2化促進事業
(2)既存住宅の断熱リフォーム支援事業
https://www.env.go.jp/content/000366699.pdf
◆脱炭素志向型住宅の導入支援事業 75,000百万円
・お勧め度:③建設・建築系〇
・ZEH基準の水準を大きく上回る省エネ性能を有する新築住宅(脱炭素志向型住宅)の導入を支援します。
https://www.env.go.jp/content/000366700.pdf
◆建築物等のZEB化・省CO2化普及加速事業 6,700百万円
・お勧め度:全業種△ ③建設・建築系△ ⑤農林水産業系△ ⑥環境・エネ・設備系△
・業務用建築物のZEB化・省CO2設備の導入等の支援により、脱炭素化と健やかで強い社会づくりを目指します。
(1)ZEB普及促進に向けた省エネルギー建築物支援事業
(2)ライフサイクルカーボン削減型の先導的な新築ZEB支援事業
(3)水インフラにおける脱炭素化推進事業
(4)CE×CNの同時達成に向けた木材再利用の方策等検証事業
(5)省CO2化と災害・熱中症対策を同時実現する施設改修等支援事業
(6)サステナブル倉庫モデル促進事業
https://www.env.go.jp/content/000366702.pdf
◆業務用建築物の脱炭素改修加速化事業 4,000百万円
・お勧め度:全業種△ ③建設・建築系△ ⑥環境・エネ・設備系△
・業務用建築物の脱炭素化を早期に実現するため、外皮の高断熱化及び高効率空調機器等の導入を支援します。
https://www.env.go.jp/content/000366703.pdf
◆Scope3排出量削減のための企業間連携による省CO2設備投資促進事業 1,500百万円
・お勧め度:⑥環境・エネ・設備系△
・バリューチェーンを構成する代表企業と取引先の中小企業等が連携して行う省CO2設備の導入を支援します。
https://www.env.go.jp/content/000366704.pdf
◆脱炭素技術等による工場・事業場の省CO2化加速事業(SHIFT事業) 5,786百万円
・お勧め度:全業種△ ⑥環境・エネ・設備系〇
・中小企業等の工場・事業場への脱炭素技術等の導入促進により、CO2排出削減を図ります。
https://www.env.go.jp/content/000366705.pdf
◆コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業 7,000百万円
・お勧め度:①産業系(製造・小売)△ ⑥環境・エネ・設備系△
・コールドチェーンにおける脱炭素型自然冷媒機器の導入を支援するとともに、既設機からのフロン排出抑制方法を検証することで、脱フロン・脱炭素型冷凍冷蔵機器への迅速かつ効率的な移行実現を図ります。
https://www.env.go.jp/content/000366707.pdf
◆ペロブスカイト太陽電池の社会実装モデルの創出に向けた導入支援事業 7,000百万円
・お勧め度:全業種△ ⑥環境・エネ・設備系△
・ペロブスカイト太陽電池の国内市場立ち上げに向け、社会実装モデルの創出に貢献する自治体・民間企業を支援します。
https://www.env.go.jp/content/000366709.pdf
◆地域脱炭素推進交付金 27,018百万円
・お勧め度:⑥環境・エネ・設備系△ ⑨その他(行政等)〇
・意欲的な脱炭素の取組を行う地方公共団体等に対して、地域脱炭素推進交付金により支援します。
https://www.env.go.jp/content/000366712.pdf
◆中小企業を含むバリューチェーン全体の脱炭素経営高度化事業 1,651百万円
・お勧め度:全業種△ ⑥環境・エネ・設備系△
・モデル事業支援やガイドブック作成により、バリューチェーンでの企業の脱炭素経営を普及・高度化し、脱炭素化と競争力強化を図ります。
(2)中小企業向け脱炭素経営実践促進事業
(4)バリューチェーンの脱炭素化に資する新たな再エネ導入モデル構築事業
https://www.env.go.jp/content/000366723.pdf
◆地域共生型廃棄物発電等導入促進事業 1,696百万円
・お勧め度:全業種△ ⑥環境・エネ・設備系△
・地域の廃棄物を地域エネルギーとして利活用することで、地域の脱炭素化及び地域貢献を推進します。
(1)地域の廃棄物を活用した地域エネルギー創出事業
(2)PCBを含有した変圧器等の高効率化によるCO2削減推進事業
https://www.env.go.jp/content/000366725.pdf
◆脱炭素型循環経済システム構築促進事業 3,603百万円
・お勧め度:⑥環境・エネ・設備系△
・脱炭素化に資する資源を徹底活用する技術の社会実装に向けた実証事業を行います。
https://www.env.go.jp/content/000366727.pdf
◆地域の防災拠点や避難施設となる公共施設の脱炭素化・レジリエンス強化 2,000百万円
・お勧め度: ⑥環境・エネ・設備系△ ⑨その他(行政等)〇
・災害・停電時に公共施設等へエネルギー供給が可能な自立分散型エネルギー設備等の導入を支援します。
https://www.env.go.jp/content/000366728.pdf
◆地域脱炭素実現に向けた具体施策実装支援事業 630百万円
・お勧め度:⑥環境・エネ・設備系△ ⑨その他(行政等)〇
・「宣言から実行へ」。地域脱炭素の実現に向けて、具体的な脱炭素施策の検討・実施、地域人材の育成等を支援します。
(1)具体的な脱炭素施策の検討・実施支援
https://www.env.go.jp/content/000366729.pdf
◆運輸部門等の脱炭素化に向けた先進的システム社会実装促進事業 1,415百万円
・お勧め度:⑥環境・エネ・設備系△ ⑨その他(運輸等)△
・運輸部門を始めとするモビリティの脱炭素化に不可欠な先進的システムを実証し、社会実装を前提とした脱炭素輸送モデルの構築等を図ります。
https://www.env.go.jp/content/000366741.pdf
